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日系カナダ人との関わり、強制収容所に抑留された過去

強制収容所と聞くと、真っ先に浮かぶのはおそらくナチス政権下での出来事ではないでしょうか。

今の日本人は、まさか日本人が強制収容所に入っていたなんて思いもしないでしょう。

 

私自身、カナダに来るまでは自分を含む他の日本人が差別の対象になり得ることや、今までひどい扱いを受けてきたなんて考えたこともありませんでした。

 

 

ボランティア先である日系カナダ人の老人施設で働いている方に

「日系カナダ人と長年関わってきて、思うことはあるか。」という質問をしたところ、

「日系カナダ人同士のつながりが強い」との回答を頂きました。

 

戦前に多くの日本人がカナダへ移民をし、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーのパウエル街という所で働いていたという話を初めて知ったのはこの会話がきっかけでした。

 

その後日系カナダ人コミュニティーはどんどん広がっていったものの、1941年に起こった真珠湾攻撃で自体は一変。

日系カナダ人は敵とみなされ、今まで生活していた土地からの強制立ち退きを命じられ、強制収容所に抑留されたそうです。強制労働を強いられた人もあり、また今まで築いてきた財産も没収されました。

 

戦後もしばらくは元住んでいた場所には戻れず、日本に帰る人や、東部(トロントなど)他の地域に移住した人も多かったそうです。

 

そして私が関わらせて頂いた方々は、この時トロントに移住した人を家族にもつ人たち。

 

親が一から生活を立て直そうと苦労してきたのを見てきた世代なのです。

 

苦しい環境にいたからこそ、ご近所や日系同士の横のつながりを大切にし、助け合う。

 

なおかつ、カナダで生活をし、年齢関係にとらわれることなく人と関わる(縦のつながり)日系カナダ人は、気さくて、フレンドリーで、素敵だなと思う方達ばかりです。

 

 

中には英語(もしくは日本語)しか話せない方もいるのですが、工作などのレクリエーションを一緒にしながら「これって日本語(英語)でなんていうの?」と利用者さん同士で質問しているのを見ると、ああ、幾つになっても勉強だなぁと思う日々です。

 

 

また、転倒防止のために行なっている体操に時間には、PTである体操の先生が英語だけでなく、日本語やスペイン語で1から10まで数字を数えるように言い、日系カナダ人のみなさんが戸惑うことなく数を数える姿をみて、語学学習は認知症防止に良いと聞いたことがありますが、こういった環境は少なからず脳に良い影響を与えているんだろうなぁと思います。

 

少し話は逸れましたが、学生時代は歴史が大の苦手だった私ですが、人と関わっていく上で、その人が置かれていた状況や国の歴史を知ることはとても大切なことだと深く思います。

 

勉強不足だと思うことばかりです。もっと本読もう。。