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医療者として働き続けること

先輩の同期で「看護師をしてると性格が悪くなっていく気がする。」といって転職をした人がいたと聞いた。

 

なんとなく言っている意味は分かるけど、そうなるべきではないのに、多忙すぎたのか。

日々働いていて、この人の看護は凄いなと思う人もいれば、こういう言葉遣いはするべきじゃないなと思ったり、患者さんが悪いわけじゃないのになんでそんなに責めるのかと思ったり。でもそういう感覚を持ち続けるって実はすごく難しいんじゃないかとも思う。

 

 

たとえば

ナースコールを30分に1回くらいのペースで押す人がいた。押して頼むことは、飴を食べたいからとってほしいとか、カーテンを少しずらして欲しいとか。あまりにナースコールが多いから、きつめに「自分のできることは自分でやってもらわないと困ります。」と言ったスタッフがいた。

それが私が夜勤で受け持つ前。いつもはナースコールでトイレに行きたい時に呼んでくれてたのに、ナースコールなく、ひとりでトイレに行こうとしてて病室前で転倒。

他スタッフはなんでいきなりナースコールが押せなくなったのか?とハテナ。

本人は頭は打たなかったというが誰も転倒時みてなかったのでCTとって、幸いなんともなかったけど。

CTに行く前に、「今日なんでも1人でやるようにって言われてやろうとして下さったんですね?」というと頷く患者さん。(永久気管孔があるので話せない)

なんだか切なかった。

 

たしかに依存的な人もいるから、できることは自分でやってもらう、っていうのは大切だけど。その”きつめに言った”時に、「もういいかげんにして欲しい」っていう自分の負の感情が含まれてたり、感情的に話してしまうと本当に伝えたいことが伝わらない。 

 

学生の時の小児実習で感じた違和感。看護師が患者の両親に対して「理解力が乏しい」って言ってたこと。本当に理解力が乏しかったのか、説明が不十分だったのか。

 

とかいろいろ。時々感じる違和感、ちゃんと書き留めないと忘れちゃうような細かいこともたくさん。

 

医療者も人間だから思うことがあるのは仕方ないけど、話し方とか、言うべきじゃないことを言わないとか、どうしてこうやって考えるのか?って患者さんやその家族の立場になって考えるって大事だと思う。

 

 

 

すこし話は変わって。

私のお母さんも看護師で。祖父が脳梗塞で人工呼吸器をつけて、もう意識は戻らないだろうと言われてた時に、

「お父ちゃんの手が動いた」「目が少し空いた」とか少しの変化に喜怒哀楽、その度に医者に伝えて、その度に「反射です」っていう説明を受けて。

私は小さかったから知らなかったけど、最近お母さんが「あの時、ネットでドイツ製のクリーム買って、これを塗ったらお父ちゃんが良くなるって信じて使ってたんだよね。今思うと、この人ほんとに看護師なのかって思われてたと思うわ。」

って話してて。

 

仕事してる時にこんな家族に出会ったら、「理解度・・・。うーん・・・。」と思ってたと思うけど(笑)その時のお母さんのこと、お母さんがどれだけお祖父ちゃんを大切に思ってたかを考えると納得できる。

だから、そういうことなんだと思う。

 

全てのストーリーに、背景があるんだって理解することを忘れないようにしよう。